ジローナ〜ダリ美術館(フィゲラス)

さて、3日目はちょっぴり遠出です。
ジローナの街を経由して、フィゲラスにあるダリ美術館でダリの作品を鑑賞する現地ツアーに参加します。

モーニングはドーナツなどをチョイス

例によって朝が早いので、朝食をサッと済まして徒歩でカタルーニャ広場へ。
待ち合わせ場所は、ハードロックカフェ前。

9時頃、本日のガイドさんと合流。
今回は現地在住の日本人ガイドさんが我々を導いてくれます。

このツアーの本隊は現地の観光バスツアーなのですが、そのツアーに付き添いの日本人ガイドさんと一緒に便乗する形で、参加者のほとんどは日本以外の外国の方。
日本人は、僕らと大学生とおぼしき可愛らしい女性2名のグループだけでした。
それでも、バスは満員な状態に。

バスは2時間ほどかけて一路ジローナへ。
道中、ガイドを手渡され、緊急連絡先などのレクチャーを受けつつ、ハイウェイをドーっと進んでいきます。
移動中は特にすることがないので窓の外を眺めていたのですが、バルセロナ市街を出てしばらくすると広大な大地だけが広がる非常にのんびりとした光景が続き、遠くに古城と思しき美しい建造物が見えたりなど、移り変わる風景はずっと眺めていても飽きませんでした。
(というか、電車とか窓の外を眺めるの大好きなので、元々バスや電車の旅はまったく苦ではないのですが・・・)

ジローナの街

午前11時頃、ジローナ駅のターミナルに併設されている駐車場に到着。

ここでは通常のバスツアーの皆さんはガイドさんに引き連れられて観光後、自由行動となるようでしたが、我々はそれには乗らずにガイドさんオススメのコースを回るため別行動。

ジローナの街並みは、バルセロナと比べてみると非常に古き良き街といった風景で、オタク心にとっても刺さる素晴らしい場所でした。

街に入る際にまず最初に見えてくるのは街を流れるオニャル川と、その辺りに寄り添う・・・というか、もはや川の上に張り出す形で建ってる住宅群。
この特徴的な建築物は、まるでどこぞの温泉街や、京都の鴨川添いに建つ建物を想像してしまう光景でしたが、この光景こそジローナの象徴となっているとのこと。

また、川を渡って街中を歩いてみると、これまた石造りの美しい市街が広がっており、歴史を感じさせる構造となっております。
その中で、ガイドさんがすぐに見れるオススメスポットがあるということで早速案内してもらうことに。

とある教会の裏手にある路地。
観光客もほとんどおらず、静かで非常に落ち着くこの場所ですが、映画「パフューム ある殺しの物語」で撮影されたスポットとのことで、隠れた人気スポットだそう。
(しかしツアーではあまり案内されない?らしい)
バルセロナやジローナは何処もそういうシーンで撮影映えしそうなスポットが多いだけに、ピンポイントで案内してもらえるのは大変嬉しい限り!
そのほかにも、かの「Game of Thrones」でも撮影された場所もあるとのことで、そのスポットも案内してもらえました(すみません、写真は撮ってなかったです・・・)

映画「perfume」の1シーンに使われた場所

街をぶらぶら歩いてると、とあることに気がつきました。
壁のところどころに「ハエ」を象った彫刻があしらわれているのです。
写真のオブジェはジローナの象徴である「ハエ」の由来について記載されているもの。

ジローナにおける過去の戦争の歴史の中で、フランスがジローナに攻めてきた際の出来事で、
この街に仕えていた聖人「Sant Narcis」の墓から大量のハエが現れ、フランスの兵士たちを撃退したことにより、その結果この街はフランスからの支配を免れたという伝説があるそうです。
それお墓の中で・・・とかまぁ考えちゃいますが、野暮なことは言わないように・・・。

そしてこの「Sant Natcis」の足の親指を撫でるとご利益があるとのことで、撫でておきました。
ビリケンさんかな・・・?(失礼

よくよく注意してみると、ハエをかたどったものは街のあちこちで発見することができます。
この街では、ハエたちを特別な存在として、今でも大切にしていることが伺えました。

本当に色々なところにハエが隠れているので、見つけながら散策してみるのも悪くないかと思います!

引き続き街をぶらぶら。
ジローナの入り口と比べて、奥に進むにつれさらに中世実が増してきた感じで、個人的に大興奮です。
街中の光景から想像できますが、過去この街は城壁都市だったとのことで、今でもその城壁の一部が現存しており、見られるとのこと。
今回は残念ながら時間の都合でみることができませんでしたが、次回きた時は必ず・・・!

ところで鼻がムズムズする・・・

重度の花粉症な僕は、春の季節に日本から飛び出して1週間快適に過ごせるぞーーー!と喜んでいたのですが、スペインにきてからもずーっと鼻がムズムズしてるんですよね。
なんか変だな・・・と思ったのですが、その原因もここにきて判明。

城塞のあちこちに立ち並ぶ、「いかにも」な感じの細長い樹木があります。
これ、「イトスギ」と呼ばれる杉の木の一種で・・・。

まぁ要するに杉花粉発生装置が町中に植わっている関係で、杉花粉がバルセロナ一帯を覆っているとのこと。
聞いてないっすそんなこと!
ということで、花粉症の人はご注意を・・・。
しかしこのイトスギこそ、この優雅な風景を彩る大事な要素の1つということで、よいシーズンに観光したい方は、花粉対策のお薬とマスクを忘れずに・・・!

アラブ浴場跡

ざっと回ったところで、ガイドさんとも一旦別れ、時間まで完全にフリータイム!
早速観光スポットへ向かいます。
ジローナには、12世紀に建てられた歴史的浴場があるとのことで、風呂好きとしてはチェックしておかなくてはなるまいとなりまして、行ってきました。

この浴場は、12世紀の時代にイスラム建築様式を盛り込んで建てられた浴場の遺構とのことで、非常に保存状態がよく、当時の浴場事情を垣間見れるとのこと。
一人2ユーロと破格の安さで入場可能です。

内部の構造は至ってシンプルですが、このアラブ浴場はお湯に浸かって温まる類のものではなく、温水を床下に通し、その蒸気で温まる「サウナ」形式のお風呂。
これといって特別な遺構ではないのですが、12世紀頃の美しいイスラム様式の建築には目を惹かれます。

また、この浴場自体も実はGame of Thronesの1シーンにモチーフとして使われていたりするとかなんとか・・・
ファンの方はぜひ足を運んでみてください!

ジローナの大聖堂

ジローナにも大聖堂があり・・・もはやいろんな意味で聖地巡りの様相を程してますが・・・!
Cathedral of Gerona、めっちゃくちゃでっかい大聖堂。
外観もさることながら、内部の構造も非常に美しく、ゴシック様の建築を堪能できます。
また、キリストにまつわる様々な彫刻や絵画など、内部に数多く擁しており、短い時間ではとても全て見切れません!

ツアーできている関係上、少し早足で全体をみて回りましたがが、やはりその美しさとスケールの大きさには圧倒されます。
異世界に転生したくなる気持ちも少しわかる・・・(オタク的思考

急ぎ足だったので、あまり写真に収められなかったので、ある分だけ少し並べておきます。
こちらの大聖堂でも、過去の遺物を保守・修復している光景も見られました。

オススメのピンチョスバルでランチ

ガイドさんが「お昼するならオススメのピンチョスレストランがある」と言って教えていただいたレストラン「Xibarri」で軽くお昼。
お昼前だからか、お客さんはまばら。

ピンチョスレストランらしく、カウンターのケースには食べ応えがありそうなピンチョスがずらり。
少し迷いましたが、3つほど選び、ちゃっかりビールも注文。

窓際の席でいただきます。
確かに美味しい!
ビールにぴったり、たまらんです!
そして見た目通り食べ応えもあり、満足度は高い・・・!

そしてお値段もお安めの二人で10ユーロほど。
日本的にはお高いかもですが、ピンチョスの相場を考えるとビール込みでこれはお得・・・というか、メニューボードをよくみると1つあたりの金額が2ユーロほどで書かれているので計算が合わないような・・・まぁいいか!
ガイドさんオススメというのも頷けます。

街中散策に時間をかけた関係でお時間が迫ってきたこともあり、さっとお会計して戻ることに。
ちょっと道に迷ったりしましたが、無事集合場所に戻りまして、ガイドさんとも合流。

同乗していた日本人の方2名がバスになかなか戻ってこなかったり少しトラブルありましたが、次の目的地へ向けてバスが走り出します。

ダリ劇場美術館@フィゲラス

ジローナからさらに北上して1時間ほど、途中からは坂道を登り始めてたのち、バスはフィゲラスに到着。
ここはかのシュールレアリズムの巨匠、サルバドール・ダリの生まれの地であり、今回の目的地のダリ劇場美術館が所在する土地でもあります。

バスを降りて真っ先に体感するのは、絶え間なく強烈に吹きすさぶ風。
フィゲラスを象徴する気候として、常に強い風が吹いているというものがあり、
ガイドさん曰く「この風の影響でここに住んでいる人は頭がおかしくなっちゃってる」とも・・・
おかしくなっているとは一体・・・とは言えど、あのダリを生み出した土地ですもんねってなると、まぁ納得かも・・・(笑
(神戸も似た様なところあるような・・・失礼)

ダリ劇場美術館の外観

ダリ劇場美術館の外観は、赤い壁面、屋上に卵、壁に同じ形をしたオブジェ。
これはダリの持つ、生死感をモチーフにしたデザインとのことで、屋上の卵は「生」、そして壁面の無数にあるオブジェは「死」を表現しているとのこと。

壁のぶつぶつがなんで「死」なのかというと、これはこの地域で人間の葬式を執り行った際に供される、葬式まんじゅうならぬ「葬式パン」とのことで、ダリはこれが大好きだったとのこと。
ダリ自身、パンに並々ならぬ情熱を抱いていたこともあり、まぁある意味納得できるようなできないうような。

人の死を象徴する「葬式パン」が大量にあしらわれている

いたく気に入ったこのパンを死の象徴として美術館の壁面に無数に配置したと。
パンを壁面にびっちりっていう時点でもう、ダリのヤバさが伝わってきますね・・・(笑

美術館はさすがダリ美術館だけあってよく見知った作品から、全くみたことがない作品、ダリらしからぬまともな作品や立体的な作品など、非常に数多くの作品が展示されています。
これを書き始めるとキリがないので、適当に写真でごまかしておきます((

あ、ダリの墓もここにあります。
ルートに沿って移動すれば、序盤でお参りすることができます。

70年代にキヤノンのポスターを作成していたというのは初めて知りました。
日本文化に纏わる作品もいくつかあり、意外な接点もあるものだなぁと。

ジュエリーの巨匠「サルバドール・ダリ」

ダリ美術館には、場外となりますがジュエリー美術館が併設されています。

ダリはどうやらただの頭のネジれたイラストレーターではないらしいと知ったのは、ちょうどこの時だったのですが、実は凄腕のジュエリークリエイターだったらしいです。

今回のツアーでは、このジュエリー美術館の見学も含まれており、ダリ美術館のあとに入場。
(ダリ美術館では膨大な数の展示があるため、うまいこと時間配分を考えないとでした・・・)

内部の規模は大きくはないですが、展示されている1品1品が超豪華!
美しい大粒の宝石を贅沢にあしらったジュエリーの数々についつい見入ってしまい、目の保養感が半端ない・・・!

ジュエリー自体、デザインこそダリそのものなものが多いのですが、その煌びやかな宝石の使い方はダリのイメージからは想像もできない美しさと豪華さで、違った一面を垣間見ることができます。

さて、一通り見学を終えて集合場所へ。
ガイドさんと合流すると、「これ、どうぞ」と何やら1包を手渡してくれました。
なんと、美術館の外壁にあしらってある葬式パンを探して買ってきてくれてました!
美術館に入る前に「食べてみたいなー」というのを聞いていてくれていたようです。
ホテルに帰ってからいただきます!!

さて、頭がおかしくなる風が吹きすさぶフィゲラスを発ち、バスに3時間揺られてバルセロナへ帰還。
集合場所に戻ってきて、解散です。
僕らのために1日つきっきりで案内してくださったガイドさんにお礼を告げて別れた後、再度El Corte Inglesへ。

お土産を先に買っておこうという魂胆ですが、デパ地下のスーパーマーケットでお買い物もしたい!ということで、地下をひたすらぶらぶら。
昨日はちらっと覗いただけですが、今回はガチのお買い物目的。

旅行に行ったら地域のスーパーをチェックして地元の物を買おうというのも一つの楽しみ。
特にスペインの生鮮はどんなものがあるのかといったところが気になっておりましたが、さすが海鮮が非常に豊富!
逆にお野菜などの品揃えは比較的少なめなのもスペインの特徴なんでしょう。

そんな中で見つけた1パック3ユーロほどのストロベリー。
1粒1粒がめちゃくちゃでかい!
勢いで買ってしまいました。
(お宿でのお夜食用です)

その他、お酒売り場もチェックしましたが、Rioja(ワイン)やDamm(ビール)などがめっちゃくちゃ安い!
日本でも見かけるRiojaがボトルあたり1ユーロ〜、ビールも1缶0.5ユーロ〜ほど。

これはスペインに移住したくなる人の気持ちも分かる・・・!(笑

勢いで買い込みたいところでしたが、さすがに重量がかさむのでグッと我慢・・・(ビールは2本買いました)

お土産用の商品は、スペイン名物ヌガーみたいなお菓子(硬くて歯が折れるやつ)とキャラメルピーナッツ、その他諸々買い込んで本日は終了。

ホテルに帰ってから、いただいたパンを食べてみました。
見た目ほど硬くはなく、さっくりとした食感で、少し塩味のある素朴なお味でした。
いちごは百貨店で購入したもので、毎晩ずっと食べることに・・・(

明日はEncantsの蚤の市に行きます!!!